Loading...
メインコンテンツへスキップ

PROJECT

産地別プロジェクト

二戸市

環境制御技術で
きゅうり栽培の
省力化・効率化を実現

イントロダクション

作物の生育に最適な環境を作り出す、低コスト環境制御技術。ハウス栽培にかかる労力と時間を軽減し、品質向上も実現する期待の技術だ。

気象変動による影響が不安視される今、天候や季節に左右されないハウス栽培で活用できる新たな技術が導入されている。安定的・効率的な生産に寄与する新技術の導入は、今後の農業を大きく変えていく可能性を秘めている。

農産物概要

収益性の高い作物を組み合わせ、より安定した農業経営と産地形成にチャレンジ

岩手県北部に位置する二戸市は、夏も冷涼な高標高地や寒暖差の大きな盆地が広がる中山間地域。耕作面積はあまり大きくないものの、多様な地域特性を活かした園芸作物や酪農、肉用牛・ブロイラーなどの畜産、雑穀、葉たばこなどの生産を行っている。中でも主要作物とされるのが、県内一の生産量を誇るきゅうりと明治時代から栽培されているりんごだ。収益性の高いきゅうりは、ハウス栽培と露路栽培で春から秋までの長期出荷に取り組んでおり、若手生産者も増加。きゅうりとりんごを組み合わせて栽培する生産者も多く、年間を通して安定した収入の確保につなげている。一方で、農作業の省力化・効率化を実現する新たな技術や機械の導入も進めるなど、これからの農業を見据えた様々な試みが始まっている。

プロジェクトの取り組み

低コスト環境制御技術を活用し、農作業の省力化・効率化と収量アップを図る

二戸市は農業を基幹産業の一つに位置付けているが、高齢化の進行や後継者不足、遊休農地の拡大などが進む一方で、飼料や生産資材の高騰、気候変動など厳しい状況に直面している。また、生産条件に不利な中山間地域が大半であるため、施設野菜を中心に、小面積・多収量・高収益を実現する必要がある。そのためには、スマート農業を始めとして先端技術を導入していくことが不可欠と言える。
いわて農業未来プロジェクトでは、きゅうりのハウス栽培に取り組むモデル農家を選出し、気温の変化を察知してハウスの開閉を行う自動換気装置の導入を支援。特に夏場は生育適温ではない高温が続くと、光合成の能力が低下して軟弱な実になるなど生育障害が発生するため、換気による温度・湿度調整が重要だ。低コスト環境制御技術を導入することで、農作業の省力化と作物の品質向上につながる成果が見えてきた。「どんな環境下でも品質の良いものを安定的に生産できるよう積極的な技術支援が重要だ」と、二戸農林振興センターの髙橋正樹さんは語る。県をはじめとした様々な支援機関や研究機関と連携し、低コスト環境制御技術の成果をさらに検証することで、地域内の農家へも広く普及していくことだろう。

INTERVIEW

インタビュー

きゅうり農家・工藤大輔さんに聞く!

工藤 大輔さん
工藤 大輔さん

きゅうりの成長に最適な環境は、25℃〜28℃の温度帯。気温の上下に合わせてこまめな換気が必要なのだが、これまでは全て手動だったため結構な労力と時間、人手がかかっていた。「9棟のハウスがあるんですが場所も離れているので、移動するだけでも本当に大変でした」と、工藤大輔さん。自動換気装置の導入によってハウス内の温度を適切に保てるようになり、高温による生育障害の不安も軽減されたという。「人手もかからないし、他の農家にもお勧めしたいくらい助かっています」と、導入効果を実感している。

きゅうり農家・工藤正利さんに聞く!

工藤 正利さん
工藤 正利さん

「常に一定の温度に保ってくれるので、きゅうりのストレスが少なく、真っ直ぐ育つ実が増えましたね」と話すのは、二戸市で11棟のハウスを管理する工藤正利さん。同じ敷地内にあっても位置や風向きによってハウスごとに温度が変わるため、適正温度にコントロールしてくれる自動換気装置は心強い見張り役だという。「1℃ごとに感知して換気してくれるので正確ですし、開閉の手間がなくなったぶん他の作業に時間がかけられます」と、正利さんは手応えを感じている。

二戸農業改良普及センター・中西商量さんに聞く!

中西 商量さん
中西 商量さん

岩手県は、生産性を向上するため低コスト環境制御技術の研究と導入を推進している。今回導入した自動換気装置もその一つだが、労力の軽減に直結するため、経営規模に関係なく取り入れる生産者が増えるのではないかと、中西さんは見込んでいる。「自動換気装置によって省力化したぶん、きゅうりの枝の始末など他の作業に労力と時間を割くことができ、品質の向上につながります。そうなると、重要になってくるのが技術指導。気象変動にも対応できる技術を取り入れながらしっかり支援していきたいですね」と、語っていた。

ページの上へ